さとやま通信

2017.10.06

【神石高原町ヒーロープロジェクト(油木小学校)】東京の大学生と地域の大人が教える「あたらしい授業」って? 「里山ウェーブ」の波は、子どもたちにまで!

photographs by Kazuhiro Sorioka  text by Dan

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みなさん、こんにちは。さとやまレポーターのダンです。

神石高原町の油木小学校と三和小学校で行われた「神石高原町ヒーロープロジェクト」。僕は油木(ゆき)小学校の授業に参加してきました。「神石高原町の小学校×東京の大学生」という一見すると不思議な組み合わせ。実は広島県の人材交流事業「ひろしま里山ウェーブ」で神石高原町へ訪れた学生たちが立ち上げた企画なのです。

2年前に初めて神石高原町へ訪れた大学生・橋本雄太さん、萩野翔さんたちは、この町の「人のつながり」具合に惚れ、町を応援するために「学生NPO ここつなぎ」を立ち上げました。首都圏で、神石高原町のことを知ってもらうイベントを企画する中で、自分たち自身が町のことをもっと深く知りたいという気持ちと、「自分たちにしかできない、外の視点を活かして、町内の子どもたちに町を好きになってもらいたい」と思いが強くなり、このプロジェクトのアイデアが生まれたといいます。

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そこから、ここつなぎのメンバーは約半年間かけて、授業の準備を進めました。大切にしたのは、都市と地方の違いを、日常の生活や身近な人の生き方を通じてリアルに感じてもらうこと。その中で自分が生まれ育った町の魅力について外の視点を借りながら見つめ直し、気づいたり考えたりしてもらうこと。

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今回行った授業は、谷本先生が持つ6年生のクラス・12名と一緒に「総合的な学習の時間」を使って行われました。最初は児童たちからの発表。1学期の間に自分たちで実施した神石高原町民へのアンケート結果の分析や東京・渋谷との比較から見えた神石高原町の課題や魅力について教えてくれました。

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そして次は、ここつなぎの番。進行役は、今回の授業を油木小学校のカリキュラムに沿うような形でデザインした、佐々木つぐみさんと岡村衣里子さんです。メンバーは児童と一緒に4つのグループに分かれ、ヒーローの話を聞きます。ヒーローとは、神石高原町在住者の「地元ヒーロー」とここつなぎのメンバーによる「学生ヒーロー」。これまでの人生をモデルケースに、都会の暮らし・地方の暮らしについて児童たちに伝えていきました。

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学生ヒーローの打越亮太さんは、そのキャラクターで児童との距離をうまく縮めながらコミュニケーションを取り、もう一人のヒーローの石川晴加さんは自分の宝物といえる植物図鑑を見せながら、大学での勉強内容について話していました。地元ヒーローは、神石高原町で育ち、町役場に勤める岩田晃幸さんと、町外から地域おこし協力隊として神石高原町へやってきた西村悠樹さん。西村さんは、神石高原の生活をどうして選んだのかを真剣に語ってくれました。

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その後は、佐々木さんと岡村さんが生み出した「人生体験ゲーム」。やり方は、すごろくの要領でサイコロの出た数だけマス目を進んでいきます。マス目は人生そのもので、節目となる「小学校時代」「中高時代」「高校卒業後」の3つのフェーズがあり、そこで都会の生活か地方の生活かを選ぶ形になっています。「都会:人数が多くて同級生の名前が覚えられない」「地方:同級生の名前も顔もみんな知っている」という具合に選択した地域によって体験する生活は異なり、ゲームを通じて、楽しみながら自然と生活の違いを感じることができるようにつくられています。

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授業の終了後、ここつなぎの代表の橋本雄太さんは、「いかに継続した取組にしていくかが今後の課題」と話し、神部校長先生も「今日で終わりではない。これからどんな展開が待っているかわからないが、大学生のみなさんの思いが子どもたちに伝わった」と、手ごたえを感じていました。

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神石高原町を舞台にしたこの取り組みは、人のつながりが生み出した、よい意味で予測不可能なプロジェクト。その面白さは、今後も見逃せない。

 

「神石高原町ヒーロープロジェクト(三和小学校)」の開催レポートを読む

 

「学生NPO ここつなぎ」の公式ホームページを見る

 

「ひろしま里山ウェーブ」って?